HOT NEWS

BA東京が「第9回BA東京美容サミット」を開催

東京都美容生活衛生同業組合(BA東京/金内光信理事長)は、2024年3月28日(木)、美容会館(東京都・渋谷区)において、「第9回BA東京美容サミット」を開催した。同サミットは、毎回さまざまなテーマをもとに複数のパネリストを招き美容の未来を語る企画。今回のテーマは「スタイリストの早期育成」で、BA東京の理事をはじめ、美容学校、早期育成を行う教育機関、VR教育を取り入れている美容室オーナーなど計12名が登壇し、「スタイリストの早期育成」について現状と課題を語り合った。
開催にあたり金内光信理事長は、「美容師希望者の減少や離職の問題があるなか、その理由のひとつにスタイリストデビューまでが長いことが挙げられる。美容学校を卒業した多くはすでに美容師資格を持っているものの、昔の徒弟制度の名残りで修業時代が長くすぐに売り上げを上げることができていない。そのため、生産性のない人材を抱える体力がないサロンは人手不足が深刻となっている。日本の労働生産性は世界30位(38ヵ国のうち)で、長時間労働の美容室は日本のなかでも低いといえるだろう。そのため、早くスタイリストデビューすることで、労働生産性を上げ、離職防止にもなるのではないか」と提議し議論が開始された。BA東京理事とサロンオーナーは、スタイリストデビューについて業界全体で早まってきた傾向にあるとしつつ、加えて限られた労働時間内で練習時間すべてを確保することが難しく、若手の技術低下が起こっていることを課題とした。そのなかで、美容学校に実践的な教育が望まれる声に対し、美容学校からは国家試験対策を2年間で行うことの厳しさを伝えるとともに、日進月歩で教育コンテンツを更新していること、VR教育などを取り入れ習得の効率を上げていることが発表された。また、実際にVR教育をサロン研修で取り入れているサロンオーナーから、通常の4倍の速さで技術習得が可能との発言もあった。ほかに、早期育成アカデミーを行っている教育機関の成果では、入社7ヵ月で月平均81万円を売り上げることが報告され、成功体験を早期に積むことで離職防止に繋がっているとの発表もあった。育成の効率化について相違はなかったものの、目指す美容師像によっては早期育成を望む者とそうでない者がいるとしつつ、いずれにせよ美容業界に夢を持って入ってきた人材に対し早く美容の楽しさを知ってほしいという思いで一致した。BA東京の理事とパネリストは以下のとおり。

    【テーマ】

  • 「スタイリストの早期育成」

    【パネリスト】

  • 学校法人三幸学園ビューティーアート ディレクター 吉沢美香
  • 一般社団法人日本美容開発協会 代表理事 櫻井歩
  • (株)COA 代表取締役社長 青木大地
  • (株)スリー 代表取締役 寺村優太
  • ONYX 代表取締役 KOUSEI
  • 特定社会保険労務士・行政書士 水島博巳

    【BA東京】

  • 金内光信 理事長
  • 菅谷茂樹 副理事長
  • 福島吉功 副理事長
  • 石井庸子 副理事長
  • 村橋哲矢 専務理事
  • 大田文雄 常務理事